トライアルとは
バイクが生まれた直後である1900年頃には、既にトライアルは存在していたと言われています。
英語のtrialの意味の通り、腕試しがトライアルの大まかな意味であり、走りづらい斜面や岩などの地形で止まったり、足を着いたりせずに上手くバイクを操って走行する競技です。
セクションと言われる区間においては、ライダーが止まったり足を着いたりする度に、オブザーバーと呼ばれる採点者が点数をつけていきます。
トライアルは、バイクでやるゴルフだと言われることもあります。
ゴルフでは打つ回数の少ない方が上手いとなりますが、トライアルでも停止や足着きの回数が少ない方が上手いとなるのです。
選手権のトライアルなどの場合、オブザーバーはセクションごとにいるのが一般的ですが、中には参加者同士でお互いに採点する相互採点方式を採用していることがあります。
トライアルの詳細
トライアルで走るのは、砂池、池などの障害があったり難しい自然の地形であったりする場所で、ボールを打ってプレイするゴルフと非常によく似ていると言えます。
また、ゴルフだとボールがどう転がるかを読めるようにするため、下見を入念に行いますが、トライアルでも基本的に走る前はラインを下見します。
この段階から既に上手い下手の差が現れ、同じ点数で競い合っている相手がいた場合、同じくらいの技術レベルであっても、精神的な動揺が出てしまった方が負けることが多いなど、メンタルの強さも勝負に関係してくるところもゴルフに似ています。
トライアルにはモータースポーツとして、他のものにはないメリットがあります。
具体的に言えば、絶対的なスピードが低い、セクション内で1人ずつ走る競技であるということから、大事故や大怪我をする危険性が低いのです。
危険性が低いと社会や家庭からの理解も得やすく、自分に合うレベルで乗っていれば年を取ってからも続けやすい、という大きなメリットがあります。
また、至近距離で観戦できるモータースポーツであるというのも、良いところだと言えます。
ライダーと観客の距離が近く、非常に良い関係となっているためライダーのパフォーマンスが素晴らしいものであれば、観客は拍手を送りライダーもそれに応えます。
トライアルバイクは、軽く細く低速が得意な方が有利に走れます。
一般的なバイクでは、半クラッチなしでローギアで徒歩の人と同じくらいの速度で走る、ということはできませんがトライアルバイクであれば可能です。
それでも、トライアルバイクはトップギアで時速100km以上になるので、公道で走ることもできます。
また、本来はステップに立ってバランスを取りながらライディングするものなので、シートはほとんどないか、ないものが多いです。